ブックタイトル日本ねじ研究協会 1979年10月

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概要

日本ねじ研究協会 1979年10月

第蓋部(昭和45~52年度までの研究)ねじ用工具鋼として最も損耗が著しく,主要な工具とされるのは,ねじ転造用ダイス,トリミングパソチおよび十字穴成形用パンチなどであろう。これら工具に対する適性鋼種は,用途面からみて冷間塑性加工用工具鋼とされ,一般にSKDll(SLD)の金型鋼またはMo系の高速度工具鋼SKH9(YXMl)などが主流とされる。ボルト,ずる。つまり万能な鋼種はあり得ないと言うことで,各種金型,パンチなどの各々が,使用状態でその耐久性を左右する主要因子が何物であるかを充分究明することがまず大切である。また工具鋼構成金属元素の性質から定まる基本的特性,さらには,これが各種の機械的性質に及ぼす影響に関しては確認して置く必要がある。(1)鋼の機械的性質とはナツトなど被加工物は量的生産の求められるもの鋼の機械的性質とは,引張り強さ(σ,:kg/imnうで,近年その内容にはステンレス鋼またはハイテ降伏点(σ,:kg/血血・),硬さ(H),さらに鉄鋼ンなど被加工性の困難なものが含まれ,しかも高の伸び率(δ:%),絞り率(ψ:%),衝撃値精度化,高速自動化などが要求されるに至り,こ(m・k9/0m2)などを総称するものを言う。またれに対する工具鋼は重要な検討を要するものとなった。さらに近年は経済情勢の反映から,省資源,省エネルギー,省力化などの要請も強まって,主要工具鋼の選定には,生産数量,使用目的,生産コストなど充分検討の上定めることが大切である。この報告は,本分科会が直接行った研究内容を述べるに先き立って,まずねじ用工具鋼としての基本的問題鳥一・般鉄鋼の機械的性質,高合金鋼に添加される各金属元素の物理的特性などの基礎的性質を概説してみる。鋼の強さ,硬さに関する因子は,比例的な変化をするものであって,いま硬さHが増大すると,各強さσB,σSもついての因子,δ,ψ,Kbも各々比例的に増大する。靱性に比例的に変化するが,前者の強さ,硬さの性質とは逆比関係になる。σBo。σsOOH強さ,硬さ///δGつψGつ鞠鋼の靱性何等かの影響で,鋼の硬さ(H)が増大した場合は,アσsもムスラーで検討するまでもなく,σB,共に向上する。しかしその反面靱性に関す1ねじ用工具鋼としての基本的条件るδ,ψ,Kbはいずれも減少することを意味する。たとえばトリミンブパンチ工具として,そのねじ用工具鋼は一般に,引張強さが高く,耐圧衝撃性に優ることは必須条件であるが,衝撃値性に優れ,しかも強靱性であって,衝撃に強く,(Kb)を必要以上に高く取b過ぎると,工具のチッピング,またはクラツクを生じることのない,強度,硬さが激減して工具寿命が減ずることとな耐摩耗,耐疲労性であることが望まれる。さらにる。従って鋼の強さ,硬さと,靱性値の折合う点は,金型あるいはパンチとして成形する際は,被に工具寿命を良好にする合理点が存在する訳であ加工性に優る鋼種で,熱処理変形の僅少であるこるが,実用面では更に複雑な因子の相互作用によとも好ましいことになる。ることが考えられる。工具破損の原因は,設計上上述した因子の内容は,その工具鋼を構成するまたは成形によるミス,熱処理の不適正による機金属元素の性質または元素によって異なる生成炭械的性質の欠陥,応力集中のし易い形状その他多化物の性質から定まる問題であって,一例を挙げくの因子が関与すると思うが,最初の材質選定をると引張り強さ,硬さなどが著しく高い鋼種は,誤る場合は,最も影響が甚大である。反面靱性は劣り,耐衝撃値が低下する必然性を生パンチ用工具鋼は,充分な破断抵抗,抗折力を日本ねじ研究協会誌10巻10号(1979)一555一